ABCクッキングスタジオの朝礼は十数分程度の短いものだ。そのうちユニークなのが、生徒から送られてきたエピソードの紹介だろう。

エピソード自体は素朴だ。「残業の多い彼にABCで習ったバターロールを焼いてあげたら、ふたりの仲が深まった」といったものだけれど、本社スタッフが感情を込めて読み上げるのを聞いていると、なんとなく温かい気持ちになってしまう。同社の朝礼に参加していると、そうした手作りの運営方針が伝わってくる。社長の志村なるみ氏は朝礼の意義についてこう語る。

志村社長の声は低く、よく通る。いまでは男性向けの料理教室「+m」や子供向けの料理教室も展開する。

志村社長の声は低く、よく通る。いまでは男性向けの料理教室「+m」や子供向けの料理教室も展開する。

「私はほんとに素人から会社を始めました。そして、会社を大きくしていくうえで、朝礼、とくにスピーチの重要性に気がついたのです。社員が少なかった頃はスタッフを集めて話をしなくても、十分にコミュニケートできました。しかし、人数が増えていくにしたがって、自分の口から問題点や方向性を話さなきゃならないと感じたのです」

(尾関裕士=撮影)