北海道のパチンコチェーン「正栄プロジェクト」の朝礼は「笑顔体操」を取り入れている。私は開店前の朝8時に同社のチェーン、「イーグルパーク月寒店」を見学し、体操を見た。同店のパチンコ台は418台で、1日の来店客は約2000名。道内では中規模とのこと。店長の平田雄士氏が朝礼と笑顔体操について解説してくれた。

笑顔のために筋肉を鍛えるのは、笑うことより難しい。朝礼では間近で奇妙な表情を直視することに。

笑顔のために筋肉を鍛えるのは、笑うことより難しい。朝礼では間近で奇妙な表情を直視することに。

「アテンダント(従業員のこと)には早番と遅番があって、早番の朝礼は午前8時15分から10分間。内容は笑顔体操と業務連絡、会社理念の唱和。それだけです。笑顔体操はアテンダントからの提案で始めました。彼は自分には笑顔が足りないから、毎朝練習したいと言っていた。そして、彼自身が笑顔体操のテキストを探してきたんです。笑顔体操を始めてから、私も変わりました。うちに帰ると子どもから、お父さん、最近はよく笑うようになったと言われますから」

さて笑顔体操である。体操に際して、アテンダントは2列になって対面する。相手の顔の動きをチェックするためだ。それから司会者の号令に合わせて、4つの動作を真剣に行う。

・目をつぶって眉毛を上に上げる
・目を三日月状にして、顔の筋肉をゆるめる
・右目をつぶって左の口の角を上げる(逆もやる)
・真顔で口をすぼめる

笑顔体操は笑うことではない。笑うための顔の筋肉を鍛える体操なのだ。

早々に朝礼を終えたスタッフたちはホールに散らばって、台のスイッチを入れた。とたんに店内は大音響に包まれる。私たちにとってパチンコの騒々しい音はストレスそのもので、とても笑う余裕はない。しかし、笑顔体操で日々、鍛えている彼らは私に笑いかけながら、開店準備に精を出す。彼らの様子を見て、笑顔体操はサービス業にとってはうってつけの体操と感じた。

(本田 匡=撮影)