駅の構内にはさまざまな人が働いている。乗客の安全を図り、列車への乗降を見守る駅務員、線路や駅施設を管理する構内作業員、そしてキオスクの販売員……。このほかにも多くの人たちが日々勤務しているが、つねに笑顔でいる人はあまり見かけない。駅務員は乗客の安全が頭にあるから、にこにこしていられないのだろうし、キオスクの販売員は殺到する客への応対で手いっぱいなのだろう。

司会の柏木氏が合図すると全員が立ち上がり、お互いの顔をチェックできるよう向かい合う。

司会の柏木氏が合図すると全員が立ち上がり、お互いの顔をチェックできるよう向かい合う。

ところが、JRの大宮、品川、立川、日暮里各駅にある「エキュート」のキャスト(販売スタッフ)だけは多少事情が違う。彼女たちは客が入ってくると、「いらっしゃいませ」とあいさつし、すかさず笑顔をつくる。何も買わなくたって微笑んでくれる。事情を聞いてみると、仕事が始まる前に必ず「笑顔トレーニング」を実施しているという。

(尾関裕士=撮影)