「ケネディ暴落」に右往左往する池田内閣

田中が大蔵大臣に就任したとき、国際社会ではアメリカのケネディ大統領によるドル防衛が露骨な形で政策として練られていた。こうした政策は、そのまま日本の貿易収支に影響を与えるのではと懸念された。証券市場ではダウ平均が短期間に100円から150円もダウンするという状態になった。

株価の暴落は池田内閣に痛手となった。これが俗にケネディ暴落と評されたのだが、池田内閣は、市中銀行から日本証券金融への協調融資の幅を広げるよう要請を行うなどの手を打った。しかし、さしたる効果はなかった。