イヤな話を伝えるときに守るべき鉄則

・悪い話は、必ず相手とじかに会って伝える
・時間は十分にとる
・準備をしておく
・はじめに「短い前置き」で話の要点を簡単に伝える。そうすれば、相手はどんな話が伝えられるのか、すぐにわかる
・説明は簡潔にする
・相手に対して批判的にならず、中立的な態度をとる
・伝えた内容を理解する時間を相手に与える。気持ちに寄り添う
・個人の視点と、広い視点の両方で相手の気持ちを代弁する。たとえば広い視点なら、「誰だって同じ気持ちになるよ」「きみひとりじゃない」「誰にでも抗議する権利はある」など
・必要なら、その決定がなされた理由を詳しく説明する
・自分の知っていることだけを伝える。憶測による話はしない
・解決志向ソリューション・フォーカスト[何がいけないかではなく、どうすればいいかに焦点を絞った問題解決の手法]による対話を心がける
・ひととおり話したのち、相手がどんな気持ちでいるか確かめる。別の人物とのコンタクトを希望したら、その人物を紹介する
・面談後も問題が解決しない場合は、その問題に関する情報を提供しつづける。よくわからないのは苦痛だ。情報がまったく入らないより、新しい情報はないと知るほうが気持ちは楽になる

単刀直入に「本題」に入る――ワニ語

ワニ脳に何かを伝えるときは、単刀直入に本題に入ること。そしてワニが求めるもの、つまりワニが理解しやすいように、短く、簡潔な言葉で、具体的に説明するのがポイントだ。

悪い話を伝える場合は、あなたが心配している、あるいは残念に思っていることを示そう。そうすれば、あなたが親身になって考えていることが伝わる。また、相手もそれが重要な話であることを理解する。

女性上司に叱られる男性部下
写真=iStock.com/maroke
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あなたは、悪い話を伝えられたことがあるだろうか? そのとき、まるで全身の血が凍りつくような感覚におちいらなかっただろうか? これは、ワニ脳が危険を感知したときの「凍結」反応だ。つまり、身体が麻痺したように膠着こうちゃくする。

悪い話を伝えるときは、このワニ脳の代表的な3つの反応の1つが返ってくるものと心得よう。「凍結」「逃走」「闘争」のうちのどれかだ。

これは、人間のごく自然な反応だ。だから、相手が攻撃的になったとしても、あなた個人に対する反応だと思ってはいけない。それは、相手が危険に出合ったときのごく自然なふるまいなのだ。そのため、そうした反応が返ってくることを頭に置いておこう。

相手にワニ脳のふるまいが表れているかぎり、あなたはワニ語を使いつづけ、常に明瞭さを心がけなければならない。相手の反応を見きわめながら、それにふさわしい言語で対応しよう。

また、相手の辛い立場を理解していることを伝えて、サル脳に移行できるタイミングを探ろう。相手が攻撃的になるなど、ワニの3つの反応のどれかを示していたら、もう少しワニ語で話しつづけ、そのあとでまたサル語で語りかけてみよう。