日テレとフジの明暗を分けた要素
スポンサー企業が、フジテレビでCM差し替えを行った理由として、下記の2点が挙げられる。
1.経営者レベルでの問題と捉えた
2.フジテレビの事案の方が、事態がより深刻だと見なした
2.フジテレビの事案の方が、事態がより深刻だと見なした
フジテレビの記者会見直後にCM差し替えが起きたことを考えると、記者会見のどこかに問題があったということだ。最も問題視されたのは、トラブルの発生直後に港浩一社長に報告が上がっていたということだと筆者は考えている。
港社長に情報が上がっていただけでなく、最終的な意思決定は港社長に委ねられていたということだ。
現場の社員レベルで深刻な問題が起こっており、経営陣がそれを把握していなかった場合、企業や経営者は管理責任が問われる。一方で、問題自体の責任は負わないケースが多い。
「経営者レベルの問題」と企業が認識した
三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件においても、半沢淳一頭取は謝罪を行っているが、引責辞任まではしていない。もちろん、経営者自身が窃盗に関与していたとしたら、彼らも引責辞任か解任に追い込まれる。
「セクシー田中さん」の原作者自殺問題も、「24時間テレビ」の寄付金着服問題も、現場レベルで起きた問題ではあるが、経営者が関与していた問題でもなければ、知っていて対処を怠っていたわけでもない。
フジテレビの場合は、社長自体が問題の所在を知りながら、中居正広さんを番組に起用し続けたこと、番組の打ち切り等の対応を取らなかったこと、トラブルになった女性のケアを十分に行わなかったことが批判されている。もちろん、こうした一連の行動が適切であったのかなかったのかは、今後の調査で検証する必要がある。
しかしながら、この度の記者会見で、本事案が経営者レベルでの問題であるという事実が露呈してしまったのだ。