「セクシー田中さん」騒動でもCM差し替えはなかった
概して、メディア企業は叩かれやすい。特に最近ではテレビ局が標的にされやすい。2024年に関していえば、年明け早々に、ドラマ「セクシー田中さん」の原作者の自殺という痛ましい事件が起き、日本テレビが非難された。原作者の死の前に、ドラマ制作をめぐって、原作者と日本テレビ、および脚本家とのトラブルが明るみになっており、日本テレビは激しく批判された。
7月には、系列局の日本海テレビの元幹部社員による「24時間テレビ」の寄付金などを着服した問題が発覚し、日本テレビも大きな批判を浴びた。横領を行った元幹部は、業務上横領の疑いで書類送検されている。
さらに、100キロマラソンのランナーを務めたお笑い芸人のやす子さんが、足を痛め、台風も接近している中で、トラックを75周も走ったことに対して、過酷な状況に追い込んだことが批判された。以前から、同番組は「感動ポルノ」といった批判がされ続けていたが、2024年はテレビ局に向けての批判がピークに達した感がある。
しかしながら、日本テレビの不祥事によって、同局のCM放映が差し控えられることはなかったし、「24時間テレビ」単体を見ても、スポンサーが離反するという現象も確認できていない。
昨年の日テレの事案では、死者も出たうえ、違法行為も行われている。一方、今年のフジテレビの問題においては、いまだ社員が問題に関わっていたかどうかも明らかになっていないし、違法行為を行っていたということも確認できていない。
フジテレビと日本テレビに対するスポンサー企業の対応の違いはどこにあるのだろうか?