「?」を意識すると、話題を引き出せる
①疑問形である「?」
②気分を高める「!」
くり返しになりますが、会話とは、自分と相手とのキャッチボールです。相手が複数いる場合は、サッカーのようにパスを回しながら行うもの、という表現が近いでしょうか。
相手からよいボールを返してもらうには、野球ならば、ちょうどグラブにパシッと収まるような球を投げることが必要です。サッカーなら、相手が走り込んでくるところを予測して、絶妙な軌道を描くパスを出したいところです。
会話でそれを叶えるには、相手への働きかけ方が大事になります。そのためには、「。」ではなく「?」で終わる会話を意識しましょう。
たとえば、休日の過ごし方について話をしているとします。そのとき「この間、阿蘇の草千里で乗馬をしたんです」と、自分が体験した事実を話したとします。すると相手は、「ふうん、そうなんですか」と、返事を返してくれるでしょう。ただし、話はこれ以上発展しません。そこで完結してしまったからです。
それよりも、「この間、阿蘇の草千里で乗馬をしたんです。馬に乗った経験はありますか?」と、「?」で終わるほうが、「いいえ、でも、競馬は大好きで、競馬場によく出かけているんです」のように、相手の話を引き出すことができます。
“どう返ってくるか”も頭に入れておくといい
続けて、「そうなんですか。競馬場に出かけると、いろんなことがわかるのではないですか?」とか、「面白そうですね。競馬場まではどうやって?」と、「?」で終わる会話を意識すると、さらに話が広がっていくでしょう。
このようなやりとりが続くと、次第に相手も、「そうなんですよ。もしかして、競馬にご興味があるのですか?」 と、「?」で返してくれる可能性が高まります。それに「はい、一度行ってみたいと思っているので、見どころを教えてもらえますか?」と「?」で返すと、さらに楽しく会話が続けられるでしょう。
「?」で終わる会話をするときは、相手からの「返し」があることも頭に入れて、話を聞くと同時に、自分の意見ももっておく必要があります。
誰かと意見交換するのは、いつも楽しいばかりとは限りません。ときには思わぬことが返ってきたり、痛いところをつかれたりすることもあります。野球で言えば、剛速球やデッドボールのようなものでしょうか。
ですが、知らない間に、相手からのいろいろな「球」を受けて、キャッチボールが上手になっていることに気付くはずです。そして、「こんなときは、こんな返しが来るだろう。そうしたら次は……」と、会話の反応も読めるようになっていくでしょう。
また、他の人の考えを聞くことによって、自分の意見との違いや共通点もわかってきます。それによって、相手の考えとどこが違うのか参考にしたり、取り入れられる点はないか、どのあたりで合意ができそうかなど、さまざまな考え方をすることができます。「?」で問いかけることは、最終的に、自分の考えをまとめることにもつながる、とてもよい習慣なのです。