超低金利政策から「金利のある世界」に変わりつつある日本で、お金を増やすにはどうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは「これまでは、リスクを取ってでも海外に投資したほうがよかったが、これからは単純に『日本に投資すればいい』ということになる」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、深野康彦『金利で損しない方法、教えてください! 人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
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ポイントより「その場で値引き」がお得

【深野康彦さん】ここからは、金利のある世界において「やってはいけないこと」について見ていきましょう。まず、金利上昇時代とは物価も上がるということです。そのなかで注意したいのは、いろんなポイントを貯める「ポイ活」です。ポイントは今後、不利になっていく可能性が高いと考えています。

【ウエノ記者】僕もいろんな「経済圏」でポイントカードを作って貯めているのですが、なぜ不利になるんでしょうか?

【深野】というのも、物価が上がっていくのにポイントで持ち続けると、物価上昇分だけ損をしてしまうからです。よって、ポイントは貯めずに「その場で値引き」してもらうのがいちばんお得です。

ただし、最近はポイントを運用できるようなシステムもあるので、ポイントで運用を行って物価上昇率を上回る利益を目指したいなら、それはアリだと付け加えておきましょう。最も損なのはポイントを失効してしまうことですね。

「楽天経済圏」に迫る“改悪”の未来

【ウエノ】なるほど。じゃあ、ポイント還元に惹かれて買い物をするよりも、その場で値引きしてもらえるときに買うほうがお得になるんですね。

【深野】物価の上昇局面ではそうなりますね。ポイ活は今後、お得さが減っていくのではないかと危惧しています。特に「楽天経済圏」は先行きを心配しています。

【ウエノ】それはどういうことですか?

【深野】企業にとってポイントを発行すると、それは「負債」になります。当然、バランスシートは悪化します。そこにお客さんが一斉に「ポイントを変えたい(使いたい)」と申し出たら、一気に負債を返済していかなければいけないのです。「グループ内の経済圏で使ってくれればいい」という考え方でポイントを発行しているかもしれませんが、それにも限度があるような気がしてなりません。

なので、ポイント条件は今後どうしても“改悪”の方向に向かっていく可能性が高いのではないでしょうか。

【ウエノ】そうなのか……。ポイ活で結構貯まっているポイントカードもあるので早めに使ったほうがいいですね。

【深野】ひとまずは「物価上昇下ではポイントは不利」と覚えておくことが重要です。ちなみに、NISAのクレジットカード積み立てや、ふるさと納税のポイントの付与などができなくなるなど、改変のニュースが増えています。今後はしっかりニュースをチェックしたほうがいいと思いますよ。