「不動産投資で儲ける」も難しくなる
【深野】不労所得を得るのに根強い人気なのが、不動産投資です。ただ不動産投資の場合、低金利がフォローの風となっていた部分があり、これから金利が上昇していくにつれて、儲けるのはどんどん難しくなっていくと思われます。
【ウエノ】それは投資物件を買うのにローンを組むからですか?
【深野】その通り。一般的に不動産投資では手持ち資金に加えて借り入れで物件を購入することになります。これまでは低い金利で資金を調達(借り入れ)することができたため収益を得やすかったのです。しかし、これからの金利上昇局面では借入金利も上昇することになります。
不動産投資の場合の借入金利は住宅ローンと異なり、短期金利ではなく長期金利に連動することになります。しかも、不動産投資用ローンは変動金利タイプが一般的です。このため、不動産投資向け融資の金利は住居用の住宅ローンよりも先に上昇していくことになるでしょう。
家賃収入は変わらず、支出だけが増えていく
【ウエノ】不動産投資用ローンのほうが金利上昇は早いんですね! しかも、住居用のローンよりも金利が高い……。
【深野】家賃収入と借入金利のみで単純化すれば、家賃収入が5%、借入金利が1.5%であれば3.5%の収益を得ることができました。しかし、家賃収入が変わらず借入金利だけが2.0%、2.5%……と上昇していけば、収益は3.0%、2.5%……と減少していくことになるのです。
収益が減少すればするほど、固定資産税や修繕費などの諸費用を賄うのが難しくなっていき、収支は赤字になる可能性が高くなります。賃借人の管理や募集を不動産会社に任せれば、当然手数料がかかることも付け加えておきましょう。
もちろん、どのような物件に投資するかで話は変わります。高い家賃収入を得られる高収益の物件だったり、現金で買えるような築古物件に投資して、自分でリフォームなどをするなら別です。とはいえ、銀行でローンを組んで投資をするのなら、どうしても利回りが悪くなってしまいます。