2025年以降の日経平均株価はどこまで上がるのか。経済評論家の渡邉哲也氏は「新NISAの活況が株価上昇に大きく貢献し、日経平均株価はいずれ5万円を突破する。それはいつになるかわからないが、4万5000円まではスルスル上がる可能性もある」という――。
※本稿は、渡邉哲也『世界と日本経済大予測2025-26』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
日経平均は4万円を超えて上値を狙う
株価のゆくえを左右する世界的な経済の潮流を予測する。現時点で何が起きているのか。これから1年、2年にいかなる「お金の流れ」が起きるのかをつかんでほしい。
さて、おそらく多くの読者の関心事は、「日経平均株価はどこまで上がるのか? あるいは下がっていくのか?」であろう。したがって、最初に結論を述べよう。
いずれ5万円を超える。
だが、それはいつになるかはわからない。株価は人生のように紆余曲折を経て上昇していく。大きな流れとしては4万円を超えて、さらに上値を狙っていく展開である。
「2025年には5万円突破だ」と景気のいいことを言いたいところであるが、一本調子で上がっていくのはむしろ危険で、踊り場を何度も繰り返し、内部調整を行いながら、緩やかに踏み上がっていくというのが正しい株価の形成なのである。
政治的混乱が当面悪影響を及ぼすが心配は不要
実際、2024年3月4日に史上初の4万円台に乗せた後は、調整局面を経て全体としては上げ基調となっている。この傾向はポジティブにとらえたほうがよいだろう。2024年8月に4000円を超える大暴落があったが、翌日すぐに3000円戻したように、市場も冷静ではあった。
同じく2024年9月に行なわれた自民党総裁選において、石破茂氏と高市早苗氏による決選投票の前後で株価は激しく乱高下した。石破氏が首相に決まった結果、株価は大きく下落した。
これは市場の期待を裏切ったからにほかならない。石破氏の経済政策は皆無に等しく、空虚な左派的理想論が並んでいた。
また、高市氏にも言えることだが、石破氏の党内基盤は弱く、長期安定政権となる可能性は低い。当面政治的混乱が市場に悪影響を与え続けると考える。