日銀の利上げを受けて、預金金利を引き上げる銀行が相次いでいる。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは「金利のある世界では、普通預金で持っていたお金の一部を定期預金に振り替えるのがおススメだ」という。出版社に勤務するウエノ記者が話を聞いた――。(第1回/全3回)

※本稿は、深野康彦『金利で損しない方法、教えてください! 人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

貯金
写真=iStock.com/Jinda Noipho
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「1年物定期」を毎年乗り換える

【ウエノ記者】定期預金っていろんな種類がありますけど、どんなタイプを選んだらいいんですか?

【深野康彦さん】ずばり言います。金利上昇局面では、なるべく金利の高い「1年物定期預金」を選びましょう。それを毎年乗り換えるようにしてください。

【ウエノ】え、そんなに頻繁に変えたほうがいいんですか?

【深野】理由を説明しますね。そもそも定期預金とは、「決められた契約期間内は原則お金を引き出せない代わりに、普通預金よりも高い金利を得られ、預入時の金利が満期まで適用される」という固定金利の商品です。その契約期間も「1年物」「3年物」「5年物」など様々な種類があります。そして、期間によって設定されている金利もバラバラです。

【ウエノ】はい。実際には期間内でも出金(中途解約)できるけど、そのぶん、受け取る金利が減っちゃうんですよね。

金利の波を意識し、ピーク圏を逃さない

【深野】そうです。だから当面使う予定がないお金は普通預金ではなく定期預金に入れておくほうがいい。とはいえ、適当に商品を選んでずっと持っておくだけじゃダメ。定期預金の効果を最大化できる“コツ”があるんです。

【ウエノ】そのコツとは……?(ゴクリ)

【深野】金利上昇局面では“金利の波”を意識することが大切です。金利上昇は数カ月から2年ほど続き、その後に金利のピーク圏が訪れます。定期預金の効果を最大限に享受する方法とは、このピーク圏で「なるべく多くの金額を長い期間で“固定”する」ことなんです。

【ウエノ】ええと、それと1年物の乗り換えがどう関係するんでしょうか?

【深野】一般的に定期預金の金利は原則1週間ごとに見直しされていますが、金利がピーク圏になったときに「すでに定期預金を契約しているから、預けるお金がない」という事態を避けたいのです。