絶対に買ってはいけない金融商品は…

【ウエノ】そもそも、日本が金利のある世界になるから、無理をして海外の高い利回りの通貨を買う必要性がなくなってしまうのですね。

深野康彦『金利で損しない方法、教えてください! 人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』(扶桑社)
深野康彦『金利で損しない方法、教えてください! 人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』(扶桑社)

【深野】その通り。外貨建て資産に目が向いていたのは、日本の金利が低かったからですよね。今後は日本の金利が上がっていくのですから、全般的に外貨建ての商品も旨味が減るでしょう。外貨建ての保険などは為替リスクもさることながら、そもそも手数料が高いので「絶対にやっちゃダメな金融商品」です。

【ウエノ】そもそも日本の金利が上がると、為替市場はどうなっていくと思いますか?

【深野】為替は各国の金利差によってレートがある程度決まっていきます。基本的には金利が低いところから高いところへとお金は流れていきます。2024年後半時点では日本の金利が上がるなかでアメリカやユーロは利下げの状況です。

【ウエノ】つまり、円高/米ドル安・ユーロ安になる、というわけですね。

「最強通貨」と言われたメキシコペソの未来

【深野】これから日本の金利が上がっていくなかでは、外貨を持つことは不利になっていきます。簡単にいえば、株式投資と同じようにアクセルをゆるめて、全力で投資するのはやめたほうがいいですね。昨今の為替市場では、金利差を狙った新興国通貨への投資、特にメキシコペソが人気ですよね?

100米ドル紙幣と20メキシコペソ紙幣
写真=iStock.com/Max Zolotukhin
※写真はイメージです

メキシコペソと日本円との金利差が大きいので、メキシコペソで保有すればそのぶんの金利スワップ(2通貨間の金利差の差額を受け取れる取引)で儲かるという投資ですよね。

仮にFX投資でメキシコペソを1万通貨(日本円で約7万3450円/2024年12月2日時点)保有すれば、一日あたり23円のスワップ金利がついてきます。このスワップ金利を求めてメキシコペソを買う人が多いですが、今後は金利差が縮まるのでリスクが高まると思います。

【ウエノ】僕の知人もこの投資で「1カ月に数万円儲かった」と喜んでいましたが、これからはリスクが上がるのか……。