新興国の投資リスクを忘れてはいけない
【深野】そもそも、為替の取引は実需があるから行うものです。米ドルは貿易の決済通貨として活用できますが、メキシコペソは実質的にメキシコでしか使えません。国の信用力を考えれば、メキシコは新興国です。
新興国が怖いのはいつ経済が停滞するかわからないこと。メキシコも大統領選挙で政治が不安定になったり、そもそも日本で取引する際にはメキシコの情報が入手しづらいことがリスクです。つまり、新興国には先進国では考えにくいカントリーリスクがあるということを忘れてはならないのです。
【ウエノ】たしかに。日本ではメキシコ経済のニュースなんてほぼ流れていませんよね。
「金利がある世界」の投資の正解とは
【深野】仮に日本の金利が3〜4%台になれば、一気に円高に振れてみんな日本円を買うようになります。そうなればスワップの利益よりも為替差損のほうが大きく上回ります。日本の金利が上がれば、これまで海外資産に投資されていたお金は自国に戻ってくると考えられるのです。
これまでは日本が超低金利だったから、収益を上げるためにはリスクを取ってでも海外に投資して儲けたほうがよかったけれど……それが変わるわけですね。
これからは日本に金利がある状況になるので、単純に「日本に投資すればいい」ということになります。脆弱性があるところの資産からお金は逃げるスピードが速いもの。新興国のマーケットは小さいから、一方通行になるとあっという間にお金が逃げていくので気をつけたほうがいいですよ。
【ウエノ】やはり金利の影響は広いし、大きいですね。