俳優の吉沢亮さんの騒動を巡り、アサヒビールなどがCM契約解除を発表するなか、アイリスオーヤマは「続投」を発表した。桜美林大学の西山守准教授は「アイリスオーヤマは世論を完全に読み切り、結果として契約終了よりも大きな果実を得ることができた」という――。
「契約続投」のアイリスオーヤマに称賛の声
家電・生活用品大手のアイリスオーヤマは、1月14日に公式サイトを更新し、酒に酔って自宅マンションの隣室に侵入したことで問題となっていた、俳優の吉沢亮さんのタレント契約の継続決定を発表した。
この発表は、SNS上で称賛を浴び、批判的な意見は少数派に留まった。通常、タレントが不祥事を起こした場合は、契約は打ち切られることが多い。
実際、吉沢さんを広告に起用しているアサヒビールは、このたびの問題を受けて1月7日に契約解除を発表。花王の薬用ハミガキ「ピュオーラ」も、同月9日に吉沢さんが出演するCM動画を公式サイトから削除している。
さらに、吉沢さんが主演する映画の公開の延期も発表されている。アイリスオーヤマは、他社とは異なった決定を行ったことになる。
なぜ称賛の声が集まったのか
問題を起こしたタレントを起用し続けている企業は批判を受けやすい。だからこそ、企業側も契約継続の判断はしづらい。
ただ、アイリスオーヤマは契約の継続を発表し、賞賛を集めることができた。なぜ、このような結果になったのだろうか?
理由としては、下記の3点が考えられる。
1. 吉沢さんの行為を深刻な問題として捉えていない人が多かった
2. 吉沢さんと所属事務所の事後対応が適切であった
3. 吉沢さんに対する批判や処罰が厳しすぎると考え、吉沢さんに同情する人が少なからずいた
2. 吉沢さんと所属事務所の事後対応が適切であった
3. 吉沢さんに対する批判や処罰が厳しすぎると考え、吉沢さんに同情する人が少なからずいた
アイリスオーヤマ側も、このように考えて契約継続を決定したのではないかと思われる。