悟りを得にくい「末法時代」に起きること
お経には、未来に起こるいくつもの予言が書かれています。
それは、末法時代を生きる人たちに向けたものです。
悟りを得た瞬間、宇宙の初めから終わり、つまり過去から未来までのすべてのことが理解できるのです。
ですから当然「末法時代の第九の減劫」(※)の様子もわかるわけです。お釈迦さまは、そのときに起こる様々な現象について語っておられます。
※お経に説かれている「劫」という時間の単位のうち、現在私たちがいる期間
そのときに世界に何が起こるのか。
それは「三災七難」が起こるのだとおっしゃっておられます。
ここから先に書く中で「国」というものが出てきますが、ここでは日本のことと捉えてください。
「三災七難」とは、「三災」(※)と「七難」という七つの難が起こることです。
※火災・風災・水災の「大の三災」と穀貴、兵革、疫病の「小の三災」のこと
伝染病、他国による侵略、ゲリラ豪雨…
まずは「七難」について書かれているお経を見てみましょう。
そのお経は『薬師瑠璃光如来本願功徳経』、一般的には『薬師経』と呼びます。
このお経には「七難」について次のように書かれています。
一.「人衆疾疫難」
この難は、伝染病が流行し、多くの人々が命を落とすという難です。
二.「他国侵逼難」
これは、他の国から侵略されるという意味で、侵略戦争に巻き込まれるということです。
三.「自界叛逆難」
自界とは、自らの場所を意味します。すなわち自分の国の中で反逆が起こるという難です。テロなどもそれにあたります。
四.「星宿変怪難」
信じられない話ですが、星の位置や運行に異常が起こることです。
五.「日月薄蝕難」
日食や月食が時期を選ばずに起こるとされています。しかし私の解釈は、太陽と月の光が弱まるのではないかと考えています。
六.「非時風雨難」
これは、台風や豪雨が、時期を問わずに起こることです。
七.「過時不雨難」
これは、梅雨の時期中から、梅雨が過ぎても、雨が降らない天候不順が起こるというものです。
これら七つを「七難」と言います。