他人の言動にイライラしないためにはどうすればいいか。光照山蓮久寺の住職、三木大雲さんは「怒りの心を起こさず、相手を許すことだ。嫌なことや苦しいこと、辛いことなどは自分の罪障を消すチャンスタイムと考えればよい」という。著書『お経から読み解く未来予言 仏教コード』(Gakken)より、一部を紹介する――。

「貪り、怒り、愚かな心」に囚われない

まず、今生(この世)での注意を書きますと、心が三毒に囚われないようにしなくてはいけません。三毒はとんしんの三つのことです。

この三毒を持っていると、必ず今生で罪を重ねてしまい、今よりも悪い状況に落ちる可能性があるからです。つまり、人間界よりも下の世界に行ってしまう可能性が強くなります。

先日、私に一通のダイレクトメッセージが届きました。それは「早く死ね」という内容のものでした。おそらく私のYouTubeや、テレビ番組、書籍などを見てそう思われたのだと思います。

時々、このようなメッセージをいただきます。その都度、私はこう返信します。

「私は今、52歳ですので、あと50年以内には死んでしまうと思います。それまでしばらくお待ちください」

光照山蓮久寺住職の三木大雲さん
本人提供
光照山蓮久寺住職の三木大雲さん

「早く死ね」と言われてもキレ返さなかった

すると返信がすぐに来ました。

「俺は今、60代後半だから、50年も待てない。すぐに死ね」

と言うのです。そこで私は、再び返信をしました。

「そんなことを言わずに、50年頑張ってください。せめて100歳くらいまで元気でいてください」

すると10分ほどの間をおいてこう返ってきました。

「三木さんのほうこそ頑張って長生きしてください」とメッセージをくださったのです。

もしも一通目のメッセージを見て私が怒ったとします。そして感情に任せて「そっちこそ死ね」と返していたとします。

すると向こうもさらに腹を立てて、やがては刀傷沙汰になっていたかもしれません。ですから、怒りの心を起こさず、相手に対して慈悲心を持つことで回避できたのだと思います。

これが罪障(※)を作らないための方法です。そして、このときの相手を許すことで、一つ過去の罪が消えるのです。

※前世、前前世、前前前世と、長い輪廻の中で犯してきた罪