2024年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお届けします。ビジネス(自動車)部門の第1位は――。
▼第1位 豊田章男氏の警告"に世界がようやく気付いた…EVメーカーの「ハイブリッド車投入」が相次いでいる理由"
▼第2位 トヨタ・豊田章男会長はやっている…あいさつに付け足すだけで不思議と交渉がうまくいくようになる「ひと言」
▼第3位 やっぱり豊田章男会長の「全方位戦略」が正しかった…自動車大国中国で「売れないEV」が山積みになっているワケ
▼第4位 豊田章男会長の戦略は正しかった…「パリ市内を走るタクシーの大半が日本のハイブリッド車」という衝撃事実
▼第5位 豊田章男氏の「EVへの懸念」が現実のものに…世界中で「EVシフト」を見直す大手メーカーが相次いでいる理由
熾烈な値下げ競争に巻き込まれている
11月下旬、中国のEV・PHV大手の比亜迪(BYD)は、取引企業に対して部品価格の引き下げを要請したと報じられた。中国の自動車市場は、ここへきて価格競争が激烈化しており、多くの企業が利益を上げにくい状況=レッドオーシャン化している。わが国をはじめ欧米の主要メーカーもレッドオーシャンに巻き込まれており、世界最大の自動車市場の中国は、今後、いかに業務を展開するか重要な岐路に立たされている。
1978年の中国の改革開放路線から、わが国の自動車メーカーは中国市場を重視してきた。欧米の大手自動車メーカーは、国有企業などと合弁事業を運営し需要を取り込んだ。中国企業は経済の工業化も追い風に、中国企業もわが国のすり合わせ製造技術などを吸収した。
近年、中国政府は一部の地場の自動車メーカーへの産業補助金政策を拡充したことに加えて、中国経済の低迷で需要が伸び悩んだこともあり、自動車産業全体で供給が需要を上回る過剰生産の状況になった。
日本車メーカーは中国で生き残れるか
足許、不動産バブル崩壊などで、中国の消費者の節約志向は高まった。少しでも安いEVやPHVを購入する需要者は増えた。デフレ懸念の高まりも値下げ競争に拍車をかける。それに伴い、わが国のメーカーは中国事業のリストラを優先することになるだろう。
米国の関税政策も国内自動車メーカーの業績懸念を高める。それでも、わが国の自動車関連企業が競争力を高める方策はあるはずだ。全固体電池など次世代の製造技術に磨きをかけ全方位型の戦略を拡充できれば、わが国の自動車メーカーが世界の消費者のニーズに対応し、これからも成長を実現することができる方法は存在するだろう。