ヨボヨボ社員を1人リストラすれば10人分のライセンス

そして昭和の時代と令和の今で違うことがもうひとつあります。昭和の時代は生産性を上げた社員が過重労働に苦しむ結果を招いたのですが、令和の時代は生産性が上がらないヨボヨボ社員がいてくれる間は、いきいき社員は楽々スタイルで仕事を続けることができるのです。

このような現象が間違いなく、2025年の後半、日本の大企業のいたるところで発生するでしょう。

さて、昭和が平成になった頃になってようやく、社員ひとりに一台パソコンが配られて、おじさん社員たちは最初のうちは若手に、

「おい、これワープロに打っといて」

と指示していたものが、やがて自分で人差し指一本でキーボードをたたきながらワープロ打ちするようになりました。平和で変化もゆっくりな時代でしたね。

令和の不穏な時代だと、これがどうなるでしょう。経営者はこんなことを考えるかもしれません。

「社員ひとりに一ライセンス、ChatGPT Proを与えると月3万円かかるけど、ヨボヨボ社員はどうせ使わないからライセンス代がムダになるな」

みたいに結構細かいコストまで気にします。そこで、

「そうだヨボヨボ社員をひとりリストラすれば社員10人分のChatGPT Proライセンスが賄えるな。そうしよう。そうしよう」

と思いつくかもしれません。

多少のタイムラグはあるかもしれませんがこれから始まる2025年はなかなかダイナミックな一年になりそうです。

【関連記事】
「50代からの新NISAデビュー」は手遅れなのか…経済評論家が「まだ間に合う」と力説する理由と投資先の選び方
世界注目の哲学者「AIの内部は回路と電流だけ」…全知全能AIは「知能がなく思考もしていない」と断言する理由
部課長にはなれない人材をどうするか…辞められると困る中堅社員の離職を止める上司の"ねぎらいフレーズ"
東京は「金持ちと貧乏人の街」になりつつある…日本で格差がどんどん広がっている根本原因
「100年に1人の天才」でも「最新のAI」でも解けない…使うのは+×÷だけなのに世界中の数学者が敗北した難問