中学受験生は冬休みも毎日勉強を続けるべきなのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「6年生はやるべきことを淡々と行い、入試に備えてほしい。4年生と5年生は休み方にポイントがある」という――。
雪だるま
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6年生はやるべきことを淡々と行うことが大切

もうすぐ冬休みがやってくる。冬休みは年末年始と重なるため、何かとせわしない。また、新しい年を迎えるので特別感がある。そのため、生活のリズムを崩してしまいがちだ。だが、6年生の受験生は、もう間もなく入試がスタートする。ここで体調を崩してしまったら、これまでの努力が水の泡になってしまう。油断は禁物だ。

入試直前期でもっとも大事なことは、早寝早起きの規則正しい生活を送ること、むやみな外出を避け体調を万全にしておくこと。そして、最後まであきらめずに勉強と向き合うことだ。本来であれば、親戚一同が集まる正月は、子どもにとって得るものが多く、貴重な体験になる。しかし、受験生の6年生は、今年の冬だけはそれも封印したほうがいいだろう。

とにかく今やるべきことを淡々と行い、入試本番に備える。厳しいことを言うようだが、いっときの油断が、大きな後悔にならないようにしたい。遅かれ早かれ、2月の初めにはみんな結果が出るのだ。親戚に会うのはその後だっていい。

4年生、5年生「正月三が日」はゆっくり休むといい

でも、4・5年生は、正月はゆっくり休み、たっぷり楽しんでほしい。一年の初め、一年の節目である三が日は、日本の季節、文化を味わえるもっとも大切な日だからだ。長年、中学受験のプロとして多くの子どもたちと接してきて感じるのは、年々、子どもたちが日本の文化や季節を感じる機会が少なくなってきていることだ。特に都会に暮らす子どもたちは、山や川などの自然で遊ぶことが少なく、幼少期の頃から習い事や塾通いに忙しい日々を送っていることが多い。

季節を感じさせるには、本物の自然に触れさせるのが一番だが、それができない場合には、季節ごとの伝統行事を体験させるのもいい。正月にはお節料理という日本の伝統的な食事が食べられるし、場所に制限はあるが、凧揚げや羽根つきなどの遊びをしたり、書き初めで今年の目標や季節の言葉を書いたりもできる。

また、親戚一同が集まることで、おじいちゃん・おばあちゃんから昔話を聞いたり、おじさんやおばさん、年上のいとこのお兄さんやお姉さん、自分よりも年下の子どもなど、さまざまな年齢の人と話をすることもできる。この貴重な機会をぜひとも体験させてあげてほしい。それは受験勉強に強く関係し、しかも、これからの人生の中で知識や経験として生かされることだろう。