東日本大震災の少し前、著者にお目にかかる機会があり、以来、多彩なご著書に親しむようになった。ここ2年ほど、新入社員全員に配っているのが『仕事の思想』という1冊。この中で著者は、仕事の報酬は給料ではなく人間としての成長なのだと述べているが、まさに至言。社会人として一歩を踏み出した若者に、多くの気づきを与えてくれる。

その思想をさらに深め、経営者の生きざまを説くのが本書。戦後の経営者は「あの戦争でなぜ自分は生き残ったか」を問いつつ、覚悟と思想を持っておのおのの道を切り開いてきたという。震災で生き残った私たちも同じだろう。使命感を持って働くことの意義を、平易かつ迫力のある文章で教えてくれる。

【関連記事】
仕事観、人生観……震災は人をどう変えたか
給料デフレ時代に社員を奮起させる「心の報酬」
なぜ心の病は、肥満タイプに多いのか?
「やりがい喪失マン」の点火ボタン
捨てる習慣:20代は先入観、40代は私欲、50代は手柄