台風時は決死の覚悟で用を足すが、便器から海水が吹き出す

島では生活用水の確保が困難な時期が長かった。その上、ほとんどの居室にトイレが設置されていたが、16〜20号棟(日給社宅)、30号棟、65号棟の旧棟部分には閉山までトイレが設置されておらず、共同便所を利用していた。

共同便所は日給社宅と65号棟旧棟に2カ所、それ以外は各階に1カ所ずつあり、それぞれの共同便所に大便器5〜6個が設置されていた。その真ん中を、配水管が最上階から地下の溜耕まで貫通し、各便所から斜めの枝管を出していた。水道がないため下水処理もなく、トイレの排水管は海と直結していたという。