珍しく臨時の記者会見を開いて方針を説明
23日、中国人民銀行は種々ある誘導金利のうち、短期の金利(14日間のリバースレポ金利)を1.95%から1.85%に引き下げた。翌日、経済政策に関する記者会見を開くことも発表した。中国政府が臨時の記者会見を開いて、経済政策の運営方針などを公表することは珍しい。経済対策期待は相応の高まりを見せた。
24日、中国人民銀行の潘功勝総裁、中国証券監督管理委員会(証監会)の呉清主席、国家金融監督管理総局の李雲沢局長は記者会見を開き、一連の経済対策を発表した。まず、金融政策の先行きの指針(フォワード・ガイダンス)を示した。ローンプライムレートなどの主要な政策金利を引き下げる姿勢は明確になった。
金融緩和を進め家計、企業、地方政府などの資金繰りをサポートする。従来、中国政府は、過度な金融緩和は銀行の純金利マージンの低下につながるとしていたのが、今回、金融緩和を進めても銀行の収益力は維持可能との見解を示した。
大手国有銀に20兆円規模の資本注入か
2点目は不動産市況の支援だ。住宅の需要者、供給者向けの対策を打つ。既存の住宅ローン金利を平均で0.5%引き下げ、2軒目住宅購入の頭金比率の下限は25%から15%に下げる。供給サイドに対して、住宅在庫の削減を進めて不動産業者の経営を支援する。今後、これまでに中国人民銀行が、地方政府の住宅在庫買い取り支援に設定した3000億元(6兆円)の資金枠の拡大などが進むだろう。
3点目は、株価維持策(PKO、プライス・キーピング・オペレーション)の拡充だ。国家隊と呼ばれる、政府系の機関投資家による本土株購入の資金供給を増やす。企業の自社株買い、M&A(合併・買収)も支援する。商業銀行に公的資金を注入し、自己資本を増強する。一説では、大手国有銀行への最大1兆元(約20兆円)の資本注入が計画中のようだ。