「毎日でも食べられる」味だから利用頻度が上がる

ココイチの商品力の強みには、「ちょうどいい」を求めるニーズを満たすカレーソースと、「こだわり」を楽しみたいニーズを満たすカスタマイズの2つがある。これらによって、顧客は自分なりの好みやルールのもとで自由に選択して、「ちょうどいい」と「こだわり」を欲張ったカレーを堪能することができる。

ココイチのカレーソースは、もともと創業者の夫人が作った家庭の味の喫茶店カレーを原点としていて、「言ってしまえば、当社のカレーは特徴がないのが特徴」と語られるように、あえてクセを抑えたオーソドックスな日本のカレーの味わいになっている。(※2)「特徴がない味にする」という選択は、ライバルと競争するうえでリスクを伴うが、この勇気ある選択によって「ちょうどいい」が充足されている。

※2 週プレNEWS「創業40周年の「カレーハウスCoCo壱番屋」創業者は飲食業界と無縁だった!」を参照、引用。

飲食店では、顧客の利用頻度が高いかどうかが決定的に重要となる。どれだけ美味しくても、刺激が強くて慣れない味で、「年に1度は食べたくなる」や「1回食べれば十分」と顧客に思われる利用頻度の低い店では、存続・成長していくことはできないからだ。「週に数回通いたい」や「毎日でも食べられる」と思われる利用頻度の高い店になることが、飲食店の成長には不可欠である。

鍋に入ったカレー
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

「普通のカレーソース」×「こだわりのカスタマイズ」

ココイチのカレーソースは、尖った個性がなく、老若男女の誰もが食べられて、飽きのこない「ちょうどいい味」という強みを発揮している。そして、個性のない「普通のカレーソース」だからこそ、2つめの強みである「こだわりのカスタマイズ」と組み合わさり、どんなトッピングにも合うカレーになることができている。

「ちょうどいい味のカレーソース」だけでは、強固な商品力とは言えない。実際、カレーソースの味は他社が真似できないものではない、とココイチ自身も認めている。(※2)他社に真似できないココイチならではの強みは、ちょうどいいカレーと組み合わせる、12億通りを超えるという唯一無二のカスタマイズサービスにこそある。

※2 週プレNEWS「創業40周年の「カレーハウスCoCo壱番屋」創業者は飲食業界と無縁だった!」を参照。