カレーハウスCoCo壱番屋が好調だ。展開する壱番屋の2024年2月期連結決算の売上高は過去最高を記録した。なぜ人気なのか。マーケティングが専門の高千穂大学商学部教授の永井竜之介さんは「飽きのこない『ちょうどいい味』のカレーソースに加えて、12億通り以上のカスタマイズが可能なことが強みになっている。これは従来のマーケティング理論とは相反するものだ」という――。
カレーショップ「カレーハウスCoCo壱番屋」のロゴマーク=2020年4月14日、東京都北区
写真=時事通信フォト
カレーショップ「カレーハウスCoCo壱番屋」のロゴマーク=2020年4月14日、東京都北区

「日本のカレー」はさまざまな飲食店で提供されている

「日本のカレー」は、発祥のインドカレーから独自の発展を遂げており、いまや1つの料理として認知されている。欧州の体験型旅行サイト「テイスト・アトラス」が毎年発表する「世界の美味しい料理トップ100」では、2022年の第1位に「日本のカレー」が選ばれたほどだ。

とろみや甘みが強く、さまざまな具材が入ることなどが特徴的な日本のカレーは、インドカレーとも欧風カレーとも異なる独自性を持ち、カレーライス、スープカレー、カツカレー、カレーうどん、カレーパンなど応用・発展を進め、食卓・給食・外食など、日本の食生活に広く浸透している。