サンマの不漁が続いている。時事通信社水産部の川本大吾部長は「10年前までは年間20トン以上獲れていたが、現在は数万トン。同一サイズで比較すると10倍以上値上がりし、もはや庶民の秋の味覚とは言い難い」という――。
サンマ
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8月の水揚げ量は前年の4.6倍増だが…

秋の味覚・サンマのシーズンが到来した。サンマといえば、近年は深刻な不漁で、かつてのようなふっくらして脂がのった逸品にはお目にかかれなくなっている。小ぶりで短く、割高感は否めない。

今年はどうだろうか。8月中旬の初水揚げは、北海道・根室の漁港で去年の140倍、価格は200分の1という大漁・安値となった。東京・豊洲市場では初サンマが十数年ぶりに42トンという大量入荷で、卸値は昨年の10~20分の1。「今年のサンマは豊漁か?」と思わせるようなスタートとなっている。

漁業情報サービスセンターのまとめによると、北海道を中心とした8月の水揚げ量は合計2611トンで、前年同月(574トン)に比べて4.6倍に増加。この調子なら「豊漁かもしれない」と言いたいところだが、実際は逆である。