※本稿は、高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
高齢になってから「赤身の肉」は本当に健康を保てるのか
「肉を食べれば元気になる」という主張は、近年、多く見られます。
炭水化物の摂取量を減らし、タンパク質をその分、多くとること。そしてそのタンパク質を、主に肉で補おうというわけです。
でも、高齢になってからも「赤身の肉」を多く食べている人が、本当に健康を保てているでしょうか? 実は統計的に見ると、牛や豚の、とくに赤身の肉を多く食べる国の人は、病気をしがちで短命であるというデータがあるのです。
一方で推奨されるのは、魚介類を中心にタンパク質をとる食生活です。私があらゆる機会をとらえて紹介している「地中海食」として知られる食事メニューです。
イタリアやギリシャなど地中海沿岸に住む人々の食事内容をモデルにしていることから「地中海食」と呼ばれますが、なんのことはない、昔の日本人は、これと似たような食事をしていました。
だからなのか、地中海諸国と同様に、日本も世界的な長寿国として知られています。
ただ日本食の場合は、魚に加え、海藻など食物繊維の多い食べ物、それに味噌や納豆、漬物などの発酵食品が多いのが特徴です。
そのほかの地中海食の特徴としては、生野菜や果物に加え、オリーブオイルやナッツを多く摂取します。新鮮なレモン果汁をよく使い、ポリフェノールを多く含むワインを飲むことも、長生きの要因になっているでしょう。
ところが、現代日本人の食生活を見れば、すでに魚中心から肉中心のメニューに変化しています。スーパーなどの手頃なお惣菜も、肉をメインに用いたメニューが多いことに気づかれるのではないでしょうか。
ところで魚といっても、たくさん食べる必要はないのです。また、マグロやカツオのような大型魚よりは、アジやサンマ、イワシ、シラス、ちりめんじゃこなどの小さな魚のほうが、栄養価も高いのでおすすめです。
魚介類は、調理する手間が少々かかることがありますが、調理も楽しみの一つととらえ、肉好きの方は徐々に食の好みを変えていくことをおすすめします。