健康的に食事量を減らすコツは何か。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「食事量を無理なく減らす習慣としておすすめは、欧米で流行っている1回16時間の『プチ断食』だ。夕食を食べたあと、翌日の朝食をとる時間を遅らせて、いわゆるブランチをとるだけの『一日2食』のとても簡単な食事制限法だが、体によく長寿遺伝子を活性化させることができる」という――。

※本稿は、高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

目覚まし時計が皿の上に乗っている
写真=iStock.com/Olga Ihnatsyeva
※写真はイメージです

食べることは、絶好の「暇つぶし」となる行為

実は「食べる」という行為は、人間にとって、たんに生命活動を維持するために栄養素をとるというだけの行為ではありません。

絶好の「暇つぶし」ともなる行為なのです。

ものを噛むことによって脳内には快楽を引き起こすホルモンが分泌されますから、孤独やさみしさ、ストレスを打ち消すのに、もっとも簡単な方法にもなり得ます。

だから、やることがなくて暇を持て余している人や、面白い人生を送っていない人、いつも寂しさを感じている人、何か満たされない思いを抱えている人などは、中毒のように過食に走ってしまう傾向があるのです。

食べることは、多くの人にとって幸福なことですから、食事を可能なかぎり楽しもうとすることは間違っていません。おやつだって、間食だって、たまに食べるぶんには、毎日の生活を楽しくする大切な要素になるでしょう。

私にしても、たまに打ち合わせが長引いて「ケーキでもいかがですか?」と尋ねられれば、喜んで「いただきます!」と答えます。何度でも、お代わりをしたいくらいです。そんなふうに、たまには甘いものを楽しむのはいいのです。

ただ、毎日のように頻繁に繰り返せば、ひとときの癒やしと引き換えに、大事な健康を害することになるでしょう。

健康を害することで、結果的にさまざまな食事制限をしなければならなくなって食の楽しみの多くを奪われてしまったら、いくら後悔してもしきれませんね。

ですから、BMIが25を超えている人は、お腹がさほど空いていないのに、暇つぶしに食べ物を口に入れるのは控え、ほかの楽しめることに集中することで心を安らかにするような習慣に変えていきましょう。