周知のとおりプーチンは時に現実をねじ曲げて解釈するが、自軍がウクライナ軍をさっさと追い出せないことはさすがに分かっているだろう。この状態が続けば、彼が昨夏以降、多大の犠牲を払いつつ慎重につくり上げてきたナラティブは、もろくも崩れかねない。

ロシア軍の指揮官はクルスクに援軍を派遣しようとしているが、ウクライナ軍を駆逐するどころか、包囲に必要な兵力すら確保できないありさま。ウクライナ軍は今回の奇襲で、昨年の反転攻勢で奪還した地域よりはるかに広大な地域を制圧した。

ロシア軍がハルキウで3カ月かけて上げた戦果より、ウクライナ軍がクルスクで3日で上げた戦果のほうが大きいとみていい。