結婚していることは幸福度を0.54上げる

図表2は、幸福度を目的変数として各種個人属性等を説明変数として本稿のために回帰分析を行った結果の一部を抜粋したものである。

【図表】幸福度を目的変数、個人属性等を説明変数とした回帰分析の結果
図表=筆者作成

表の各項目の数値は、着目する項目以外が全て同じ条件の場合、着目する項目に対してyesの場合に(地域・建物に対する満足の場合は満足度が1段階上がった場合に)、そうでない場合に比べて幸福度がどのくらい変動するかを示している。

例えば以下のような解釈となる。

・40歳代であることは、比較の基準とした20歳代に比べて幸福度が0.28低い

・結婚していることは、結婚していないことに比べて幸福度が0.54高い

・子どもがいることは、子どもがいないことに比べて幸福度が0.16高い

・金融資産が5000万円以上あることは、比較の基準とした金融資産がない場合に比べて幸福度が0.15高い

幸福度に対してプラスの影響が大きな項目には以下のようなものがある。

・家族関係に大変満足していることは、幸福度を0.76押し上げる

・未来は明るいと思うことは、幸福度を0.66押し上げる

・ストレスをあまり感じないことは、幸福度を0.31押し上げる

・仕事に大変満足していることは幸福度を0.31押し上げる

・健康には自信があることは幸福度を0.22押し上げる

一方で、幸福度に対してマイナスの影響がある項目には以下のようなものがある。

・自分は世の中では下流だと思うことは、幸福度を0.62押し下げる

・日本は格差社会だと思うことは、幸福度を0.23押し下げる

・私生活よりも仕事を優先することは、幸福度を0.12押し下げる

クレジットカード派はプラスだが影響は小さい

幸福度の平均は、10点満点で全体では6.52、未婚男性が5.45、未婚女性が6.03、既婚男性が6.86、既婚女性が7.05だから、例えば「ストレスをあまり感じないこと」のプラス0.31は小さな影響ではない。例えば、「未来は明るいと思うこと」のプラス0.66と合わせれば、男性の既婚者と未婚者の差を埋めることができるほどの影響がある。

ちなみに、表に記載していない項目については以下のようになっている。

・学歴は幸福度に対して(以下同じ)プラスだが影響は小さく、既婚男性では有意ではない

・タワマンに住んでいることはプラスだが影響は小さく、未婚女性では有意ではない。

・テレワークはプラスだが影響は小さく、既婚女性、未婚女性では有意ではない。

・リベラルな考え方はマイナスだが影響は小さく、既婚女性、未婚女性では有意ではない。

・現金利用派はマイナスだが影響は小さく、未婚男性、未婚女性では有意ではない。

・クレジットカード派はプラスだが影響は小さい。

・飲酒習慣はほとんど影響がない。

・外食習慣はプラスだが影響は小さい。