本当に頭のよい人は、どんな言葉遣いをしているか。医師の和田秀樹さんは「相手が小首をかしげてしまうような専門用語を並び立てる人は、頭のよさという点では怪しい。本当の頭のよさとは、どんな難解なことでも、聞く人がスムーズに理解できるように話せること、書けることにある。あなたの言葉を理解できない相手に、『これはどういう意味ですか?』と聞かれて適切に答えられないようでは、かえってバカにされてしまう」という――。

※本稿は、和田秀樹『60歳からは勉強するのをやめなさい』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

同僚ビジネスマンと相談するビジネスマン
写真=iStock.com/Saklakova
※写真はイメージです

自分の専門外でも会話の輪に入ってみる

自分は門外漢だからとしり込みしない――アウトプット実践のヒント①

何か人としゃべっていても、話題が自分の専門外だったり、相手がひとかどの権威だったりすると、どうも気おくれしてしまうということは、しばしば起こります。日本人には珍しいことではありません。

しかし、わたしはたとえ自分が門外漢であっても、しり込みせずにどんどん輪のなかに入っていってほしいと考えます。そうしないと、いつまでも自分の既知の世界から外に出て行くことができないからです。

わたしは、とにかく世の中のありとあらゆることが気になって仕方がない性分です。ですから、自分の専門外の世界についても好奇心を抑えることができません。

心理学がわたしの専門ですが、その知識を応用して、経済学を考えてみたりすることも多いのです。

しかし、この国の経済学者たちは、素人や門外漢のユニークな発想を見下すという、いやな傾向があるのもたしかです。閉鎖的な学者バカ、専門バカと言うべき人がとても多いのです。

そういう人に「あなたは素人なのに」と否定的なことを言われるたびに、「聞く耳をもたない残念な人だな」とわたしは思うのですが。

和田秀樹の「超・健康」講座 無料公開中!