AI時代に組織やビジネスパーソンにはどんな能力が必要か。医師の和田秀樹さんは「AI時代、問題発見できるかどうかがより重要になる。その意味で成功するのは『あなたの夢、叶えます』を生業にしているドラえもん型ではなく『あったらいいな〜』と問題発見するのび太型になる。『まずはのび太が考えて、あとはドラえもんにお任せ』にならって、『まずは人間が考えて、あとはAIにお任せ』くらいの感覚で、発想を楽しめばいい」という――。
※本稿は、和田秀樹『60歳からは勉強するのをやめなさい』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
問題発見能力を磨くために必要な“12文字の言葉”
先の記事で『ドラえもん』の世界を貫く「こんなのあったらいいな〜」の自由な発想力について取り上げたのを覚えているでしょうか。問題発見能力を磨くには、まさに「こんなのあったらいいな〜」のレベルから始めればいいのです。
みなさんは、当たり前に感じている日常生活のなかに、不便を感じることはありませんか?
そこにはどんな問題がありますか? こんなことはもっとラクにやりたいと思うことはありませんか? 自分の身のまわりでどのような「こんなのあったらいいな〜」を見つけることができますか?
2015年にCEATEC JAPAN(IT技術およびエレクトロニクスの国際展示会)で発表され、世界中で話題を呼んだ全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」のニュースを覚えておられるでしょうか。
投入された衣類をAIで認識し、たたんで所定の位置に仕分けするというものです。まだ衣類を洗って乾燥させるという機能は付帯していませんが、将来的には洗濯から収納までを可能にすることを目指しているそうです。
「人手をかけずに、衣類をたためたらいいな〜」「ついでに洗濯から仕分けまで全部してくれればいいな〜」という、「あったらいいな〜」的発想に基づいて開発が進められた典型と言えるでしょう。