「これはどういう意味ですか?」と聞かれて答えられるか

「でも、やはりある程度はレベルの高そうな言葉を使ったほうが、知的に見えるのではないか」「平易な言葉を使って、人からバカにされないか」と考える人がいるかもしれません。

しかし、難しい言葉があなたの理解度とかけ離れているなら、そもそもそのような不釣り合いな言葉を使う必要はありません。

聞く側からするとむしろ、「この人、じつは何もわかっていないんじゃないの?」とすぐに見破られてしまいます。

無駄なプライドはすぐに捨てましょう。あなたの言葉を理解できない相手に、「これはどういう意味ですか?」と聞かれて適切に答えられないようでは、かえってバカにされてしまうのです。

では、話す内容について十分理解できている場合はどうでしょうか。もしその理解が本物ならば、難解な話をいくらでも嚙み砕いて、適切なレベルの言葉に置き換えて語れるはずです。

言葉の定義を理解する場合、スキーマ問題ととてもよく似た状況が起こりがちです。

難解用語わかったつもりの意味知らず

ある概念について厳密な意味・解釈を知らなくても、理解のプロセスをショートカットして、「何となくこのようなことである」というふうに、概念を示す言葉がわかったような気になってしまう。

そしていざ、その言葉を小学生や中学生にわかるように説明しようとしても、できなかった。こんな経験は誰にでもあるでしょう。

インフレターゲットって何? 為替ヘッジプレミアムって何? 非関税障壁撤廃って何?

こうした「何?」に太刀打ちできますか? 日頃目にするさまざまな用語を、平易な言葉で説明できるかどうかは、自らの理解度を把握するバロメータにもなります。

カウンターで客の要望に耳を傾ける男性スタッフ
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難しい話を平易な言葉で語れることが賢さの証明。

誰かに話すというアウトプットをつねに意識していると、「難解用語わかったつもりの意味知らず」という、みっともない姿をさらさずにすみます。

自己満足型の孤独な独学者との大きな違いは、アウトプットの実践を通じて、確実にコミュニケーション能力や表現力を磨いていけるという点です。