※本稿は、マイナビ健康経営のYouTubeチャンネル「Bring.」の動画「『一瞬の挫折』は永遠に続いていく――。中古車販売業界の風雲児が語る、どん底から這い上がるためのマインドセット」の内容を抜粋し、再編集したものです。
20歳の同窓会で味わった最初の挫折
【澤円】著書『クラクションを鳴らせ!』(幻冬舎)やYouTubeチャンネルを拝見し、中野さんは、お金も学歴もない地点から這い上がってこられたと知りました。数々の苦労があったと推察しますが、「すべての挫折は一瞬だった」とおっしゃっているのも印象的です。
【中野優作】僕は高校を2カ月で中退しました。家庭の経済状況を見ると大学進学も厳しそうでしたし、その先を考えても公務員や一般的なサラリーマンになることが魅力的に映らなかったからです。そこで選んだ仕事が土木作業員。当時は土木業界が活況で、同級生のお父さんが経営していた土木会社もやたらとバブリーに見えたのです(笑)。
その後、数年はただ遊んでいただけでしたね。高校に通わずある程度は稼いでいましたから、よかったのは少しモテたことくらいです。ただ、20歳のときに開催された同窓会が転機になりました。まわりの同級生は大学生活やこれからの就職について話しています。そのなかで、髪は金髪で長髪の、いわば「パリピ」のように遊びまくっている僕は、腫れ物扱いされたように感じたのです。
そこには、小中学生の頃とのギャップもあったように思います。子どもの頃はつねにクラスの中心にいて、大袈裟かもしれませんがヒーローのようなポジションにいました。でも、そうではなくなり、ひとりポツンといるような状況がこの先も続くのかと思うと、大きな苦しさを感じたわけです。それが、僕にとって最初の挫折といえるかもしれません。
翌日には髪を黒く染め、転職活動をスタート
【澤円】でも、その挫折は「一瞬」だったわけですよね?
【中野優作】数日でしたね。悩んで落ち込んだあと、「土木業界でトップを取る」というゴールを定めると、その翌日には髪をバッサリ切って黒く染め、転職活動をスタート。最終的には、大手の土木建築会社に入社しました。
そのようにして、落ち込んでいる期間をなるべく短くすることが大事であると感じています。その期間が長いと……深みにハマって抜け出せなくなってしまいます。短くするためのポイントは、ネクストアクションです。ゴールを定めた時点では、現状はなにも変わっていないかもしれません。でも、アクションプランが決まったことで心はすでに挫折を抜け出して前進しているのです。