新鮮な候補が登場し、民主党支持者は熱狂

そして勝敗を決定づけるのは、いつも接戦となる7つの州で、このうち、フロリダ、オハイオ、ノースカロライナではトランプが前回・前々回と連勝、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ジョージアでは1勝1敗となっている。

これらの接戦州ではややトランプが強いことを考えると、総得票数で大接戦ではカマラに勝ち目はない。だから、いまなおトランプが有利かと思うのである。

地図上の赤い州と青い州の選挙人のイメージ
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ただ、もうしばらくは、カマラの人気は上昇すると思う。米国では「ハネムーン」というが、新しいスター、とくに新鮮な経歴をもった候補が登場すると、しばらくはあまりえげつない攻撃をされることなく、ポジティブに捉えてもらえる。

また、民主党支持者はトランプ相手に討論会で惨めな姿をさらしたバイデンは戦えないと、半分諦めていたから、カマラに代わったことで元気が出ている。ハリウッド・スターなど新しい支援者も出てきて、報道によると選挙資金は1週間で2億ドル(308億円)も集まったそうだ。

不安要素は「いつまで人気を保てるか」

ただし、安心はできない。2022年のフランス大統領選挙でも、ペクレスという女性候補が共和党から出馬し、一時はマクロン現大統領と極右マリーヌ・ルペン候補のあいだに割って入って優位に立ったが、1カ月くらいしかもたず、最後は5%の法定得票数もとれず惨敗した。露出機会が多くなるにつれて、本人は大秀才で夫も大企業社長という点が面白くなくなったのだろう。

カマラも1カ月くらいは支持率が上がり続けるだろうが、その後は分からない。9月に予定されるトランプとの討論会が勝負どころだ。

トランプは原則としてもう1期4年しか大統領をできないので、トランプに1期だけさせて対立の時代を終わらせ、4年後にまっとうな本格派の大統領が生まれてくれたほうがいいと思っている人が民主党内に多いのも弱いところだ。