【グループ 仕事の足を引っ張る】ワンパターンタイプ

仕事の進め方が変わっても何とかなる

企業経営をしていると、部下や組織が同じ仕事のやり方に固執し、ワンパターンになっている状況に直面することがあります。部下に対してもっと柔軟に、新しいやり方を取り入れてほしい、と考えるかたもいるでしょう。

川端克宜氏
川端克宜氏(撮影=宇佐美雅浩)

仕事の進め方がワンパターンになることそれ自体は、必ずしも悪いことではありません。大きな事業の中から個別に切り出された業務を担当する会社員は、どうしても創造性を発揮する機会が少ない。特定の業務を担当する以上、仕事がワンパターンになるのは自然なことです。

管理職はむしろ、部下が仕事を同じルーティンでできるようになるまで続けさせることを、基本的な仕事の任せ方として心がけておくといいでしょう。なぜなら、仕事の決まった進め方を持っているということは、その人にとっての成功パターンを持っていること、つまり、仕事で勝てる方法を身につけたということだからです。

しかし、市場も環境も変化する中で、今までの方法ではうまくいっていない、新しいことを取り入れたいと考える場合は、変化を加える必要があります。

ただし、部下本人の仕事の進め方や、考え方を変えようとするのはやめたほうがいいでしょう。ビジネスパーソンは、さまざまな上司や同僚と仕事をする中で、失敗を経験しながら人格や行動を形づくっていきます。「こういう仕事を見習いたい」「ああいう上司にはなりたくない」といった長年の蓄積があるため、これまでのやり方をやめるように伝えても、すぐに変えるのは難しい。

ではどうすればいいか。最も有効なのは、人事異動や組織の構造改革。仕事の進め方やそこから生まれる結果は、その方法を選ぶ個人に紐づいています。同じアウトプットばかり出てくるのなら、違うアウトプットを出してくれそうな人間に担当を代えるのが一番の近道です。

もちろん、人事異動を行っても、前の担当者と同じような人間を連れてきたら意味がありません。違う仕事をしてほしいのなら、前任者とは真逆の人間を連れてくることが重要です。

大組織の場合はどうでしょうか。構成員の隅々まで同じやり方がしみついていて、変化を生み出しにくいこともあります。そのようなときには、部長、副部長など、上層部をまとめて代えるくらいの変革をするのもいいでしょう。

改革を進めようとすると、「過去の仕事を知っている人が、少しは残っていないとまずいのでは」と、これまでの方法を踏襲しようとする意見は必ず出ます。ただ、私はそうは思いません。人がいる限り、仕事の進め方が変わっても大抵は何とかなるものです。むしろ、組織を一新することで、よいほうに転ぶケースが多い。

ほかにも、「営業の人員を外したら、培ってきた人脈がなくなって売り上げが立たなくなる」と懸念を表明する人がいたとしても、営業現場に問題があるなら、迷わず人員を代えるべきです。既存の人脈が失われても、新しく入った人が新しい人脈をつくってくれるので問題ありません。極端に変える必要があるときは、既存のやり方に固執する人を振り切ってでも変革に臨むことが重要です。(川端)