そのときだからこその良縁

「やりたい仕事が巡ってきたのに、ちょっと規模が大きすぎて尻込みしてしまった」
「いい物件があったのに、数日迷っているうちに売れてしまった」

このような経験は、誰にでもあると思います。

「縁」とは、ときと場所、いろいろな巡りあいがあります。良縁にもなれば、悪縁になる場合もあります。

これはチャンスだと思えば良縁です。

ためらう者にチャンスなし」という格言もあるように、チャンスは一度のがしてしまうと次はなかなか巡ってきません。“そのときだからこその良縁”なのです。

それが「ときの縁」です。

チャンスが巡ってきたら、どうすればいいか――。

「どうだ、チャレンジしてみないか」と推してもらったときに、躊躇なく、他の何をおいてでも挑戦する。そして、それだけに集中して取り組むことです。

もし、「ときの縁」ではないと感じたなら断ります。いやいや無理をして進めてもうまくいきません。それはご縁がなかったということです。

「すばらしい縁なんて、めったに巡ってこない」と嘆いてはいけません。「ときの縁」を呼び込むために常に下地をつくっておくのです。

前述のとおり、すべては巡り巡ってつながりあっているのですから、いつもそのことを考え、いつチャンスが巡ってきてもいいように努力をつづけることです。そんな人に仏さまはご縁を運んでくださるのです。

善因善果ぜんいんぜんか悪因悪果あくいんあっか自因自果じいんじか」という言葉があります。よい行いをしていればよい報いが得られ、悪い行いには悪い結果が起こる、そして自らの行いは自分に返ってくる、という意味です。因縁とはそういうもの。胆に銘じたい言葉です。

スピードを気にするのは、常に誰かと比べているから

「同じ土俵」にのらない――人は人、自分は自分

同僚のほうが仕事が早い。同期のアイツが自分より先に主任になった――。

現代はスピード偏重社会ですから、仕事でも出世でも、人より後れを取ると不安を感じる方も多いと思います。

作業や出世のスピードだけでなく、判断や動作にもスピードが求められているようです。また、自分にちょっとゆずる気持ちがあると、相手にどんどん先を越されるということもあるでしょう。

だから、隣席の同僚などの様子をのぞき見して、相手のほうがサクサクと仕事を進めていようものなら焦ってしまいます。

作業のやり方には個人差がありますから、極端に作業が遅いならともかく、多少の差は気にすることはありません。それはわかっていても、後れを取っていれば浮き足立ってしまいます。

スピードを気にするのは、常に誰かと比べているからです。比較する相手がいなければ焦ることもありません。脇目をふらず自分のペースで、自分の納得のいくやり方で進めればいいのです。

上司から「キミはみんなと違ってじっくりと仕事をこなすタイプだねぇ」などと嫌みをいわれても、「そうなんですよ。量より質のタイプなんです。はっはっは~」と笑って、サラッとかわしておけばいいのです。

会議するビジネスパーソンたち
写真=iStock.com/itakayuki
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同じ時間でやれる量は少なくても、丁寧にミスなく仕上げていれば、かならず評価されます。早く仕上げてミスが多かったり不良品があれば、やり直しにかえって時間がかかります。

さらに、丁寧なだけでなく、そこに他の人にはできない自分なりの工夫を加えることができれば、さらに評価は上がります。

要は、「スピード」という同じ土俵にのらなければいいのです。

あなたは、自分自身の「質」の土俵で、黙々と仕事をこなせばいいのです。あなたの個性に気づいてくれる人はかならずいます。