なすやトマト、じゃがいもに触れても起こるアレルギー症状

さらに、なすやトマト、じゃがいもにはヒスタミンが含まれます。

ヒスタミンはサバやイワシ、マグロなどの魚に多く含まれていますが、ナス科の野菜や他の一部の野菜にも含まれています。

ヒスタミンは粘膜に触れたり、体内に入ることでアレルギー症状を引き起こしますが、それは仮性アレルギーといってアレルギーの免疫を持たなくても引き起こされます。

症状はたいてい1時間以内に起こり、発疹、皮膚の赤み・かゆみ・腫れ、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなど様々です。ヒスタミンは熱に強く、加熱調理をしても分解しないので、煮たり焼いたりしても減ることがないので注意が必要です。

私はある時から、なすをたくさん食べるとお腹が張り、最悪な場合、激しい腹痛に襲われるようになりました。これも、ヒスタミンによって引き起こされた症状です。少量なら問題はないのですが、なすの漬け物や焼きなすを食べすぎたときは大変です。

「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざも、私のように腹痛を起こさないようにと気遣ったものなのかもしれない、と思うようになりました。

ナス科の野菜によるアレルギーは、触れた手にも起こります。なすやトマト、ピーマンを素手で大量に調理する場合にも、アレルギー性の皮膚炎が起こることがあります。

梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)
梅田みどり『野菜ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)

これは接触機会の多さや、接触している肌のバリア機能の低下などによって引き起こされます。また、唇や口腔内もアレルギー性の皮膚炎が起こりやすい場所です。

私の場合、大量のなすやトマトを切ったときや、塩もみしたなすの水分を絞ったり、茹でたなすの皮をむいたりしているときにその症状が起こります。

主に手の触れている部分にピリッとした刺激を感じたかと思うと、次に強いかゆみが出てきます。そのかゆみは水で洗ってもなかなか収まらず、見ると小さな赤い発疹ができているのです。

それぞれの種子を守るために進化を遂げた

このようにならないための対策としては、トマトやなすを大量に調理する際は、必ず手袋をつけ、素手では触らないようにすることです。

野菜に含まれるアレルギー物質に関しては、複雑な要因が関係しています。これはナス科の野菜だけでなく、他の科に属する野菜も同様です。

長い年月を経て、野菜はそれぞれの種子を守るために進化してきました。アレルギーに対する理解が進むにつれて、今後はより具体的な要因やメカニズムが明らかになると思います。

ともかく、アレルギーの症状が出た場合は医師に相談し、適切な治療とアドバイスを受けるようにしてください。

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