手紙の文化をチャットに当てはめている
これは手紙の文化を、チャットにそのまま当てはめてしまうようなものです。
文頭はこう書き出して、時候の挨拶を入れ、末尾はこうまとめる。お相手の名前はここ、自分の名前はここ。すべてを完璧に整えてからでなければ、投稿してはいけない。そういう「お作法」をつくってしまっているのです。
しかしチャットのメリットは早さと広さです。情報を素早く、オープンに伝えられる。お手紙文化に起因する、雅な「お作法」は、その特性を無力化してしまいます。
チャットツールの利用が広がらないときには、見本・手本を示しましょう。
導入の担当者が積極的に使って見せるのもよいですが、より効果的な方法があります。
トップが率先して新しいツールを使う
社長や役員、部門長がチャットを使って、スピーディーかつオープンなコミュニケーションを日常的におこなうようにします。
例えば社長が役員に対して、チャットで一言で連絡をする。役員はその投稿にスタンプで返答する。業務連絡が一瞬で終わる様子を、社員に見本として示すのです。
社長「来期の計画、金曜までに提出してください。よろしくお願いします!」
役員「(了解のスタンプ)」
社長に対して役員がコメントを返し、自由闊達に意見交換するところを見せるのもよいでしょう。
2人の対話がオープンな場でテンポよく進行する様子を見れば、社員たちはチャットの特性を実感できるのではないでしょうか。