ビジネスチャットを有効活用するには、どうすればいいのか。400以上の企業や官公庁に組織変革支援を行ってきた沢渡あまねさんの著書『悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている』(日本能率協会マネジメントセンター)より、一部をお届けする――。

グループチャットは情報共有のハードルを下げる

私はグループチャットツールの活用を随所でおすすめしています。

グループチャットは情報共有のハードルを大きく下げます。立ち話の内容を投稿しておいて、その場にいなかった人に理解を広げることもできる。日程調整や業務報告もチャットで関係者全員に一斉に伝えれば、情報伝達のタイムラグや不均衡、さらには誤解の余地を減らすこともできます。

連絡の行き違いが減り、全員で景色を合わせて動くことができます。

職場でまだチャットツールを使っていない/活用が進んでいない人には、この機会に、ぜひグループチャットの活用に率先して取り組んでほしいと思います。

「チャットの利用が広がらない」のはなぜか?

一方で、「チャットを導入したけれど、社内で利用が広がらない」なる声も大変よく耳にします。

グループチャットツールが役立つのはわかった。経営層の了承を得てツールを導入した。社内の各部署にチャットの活用を呼びかけた。使い方もわかりやすく周知した。

それなのに利用が広がらない。結局みんな口頭や電話、メールで業務連絡をしている。

ううむ。どうしたものか?

ノートパソコンを使用している女性
写真=iStock.com/oatawa
結局メールで業務連絡をしている(※写真はイメージです)