トラブル対応に強い組織を作るには、どうすればいいのか。400以上の企業や官公庁に組織変革支援を行ってきた沢渡あまねさんの著書『悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている』(日本能率協会マネジメントセンター)より、一部をお届けする――。
「トラブル報告」にどう対応すればいいのか
マネージャーやリーダーはチームのメンバーから日々、さまざまな報告を受けます。
その中には案件スタートの知らせもあれば、進捗状況を伝えるものもあるでしょう。
何事もタイムリーに伝達されていればよいのですが、中には業務がかなり進んでから、初めて報告が上がってくるケースもあります。
情報共有が遅れるのはよくはありませんが、それでも順調に進捗しているのであれば、余計な波風は立たないでしょう。
しかしときには、トラブルが起きてから報告がくるケースもあります。
つい「聞いていない!」と叱責しがち
メンバー「すみません部長。じつはA社の○○さんとの間で、こんな問題が起こってしまいまして」
マネージャー「えっ?」
メンバー「先週○○さんからご依頼をいただいて対応していたのですが、お互いの認識に齟齬がありまして」
マネージャー「聞いてない!」
報告を受けて、初めて問題が発覚するパターンです。
私も過去に同様の経験をしました。このようなケースでは、マネージャーやリーダーは「知らない」「聞いていない!」と言ってしまいがちです。
しかし、報告が遅いからといって「私は聞いていない!」「なんでもっと早く言わないんだ!」とメンバーを叱責していたら、事態はますます悪化していくでしょう。