部下が報告をためらうようになる

第一に、マネージャーとメンバーが「言った」「言っていない」の議論をしていては、目下の問題への対処が遅れます。それよりも解決を急ぎたいところです。

次に、報告しても叱責されるだけで、マネージャーが問題解決の方法を一緒に考えてくれるわけでもなければ、メンバーは次に同じような事態に陥ったとき、報告をためらうようになるかもしれません。

ひょっとして、常にそのような関係性にあり、マネージャーが関与するといちいちめんどくさいから、今回もメンバーは自分だけで解決しようと試みてしまったのではないでしょうか。

「問題を抱え込む組織風土」が醸成されてしまう

自分一人でトラブルを収束させてから、事後報告しようと考えるかもしれない。これでは問題を一人で抱え込む組織風土が醸成されてしまいます。それは組織として不健全ではないでしょうか。

目の前の問題を早く解決するためにも、同じ過ちを繰り返さないためにも、対応を変えたほうがよいでしょう。

唇に指を当てたジェスチャー
写真=iStock.com/Tero Vesalainen
「問題を抱え込む組織風土」が醸成されてしまう(※写真はイメージです)

メンバーから「機を逸した報告」が上がってきたとき、マネージャーやリーダーはどのように返答すればよいのでしょうか。

「聞いてない!」「どうして早く報告してくれなかったのか」

その一言を言いたくなる気持ち、私も本当によくわかります。私もそのような発言をしてしまった経験があります。

しかし、そこで衝突していては、メンバーとの関係性も職場の風土もよくならないです。