「対面じゃないとダメ」という意見が出てくる

チャットの活用が広がらない企業に話を聞くと、現場で次のような意見が出て、仕事の仕方がなかなか切り替わらないと言われます。

「チャットでは意図が正しく伝わらない。やっぱり仕事の連絡は対面じゃないとダメ」
「欠勤の連絡をチャットで済ませようとするのはいかがなものか。電話をかけるか、メールで丁寧に伝えるべきではないか」
「部長は忙しくて、チャットを確認している時間がない。口頭で言わないと話が進まない」

従来のやり方が定着していて、報告・連絡・相談をチャットに切り替えるのが難しい。ツール導入の担当者が「オープンなコミュニケーションをしましょう」と呼びかけても、現場はシーンと静まりかえっている。この種のすれ違いは、さまざまな職場で見られます。

電話をする人
写真=iStock.com/yipengge
「対面じゃないとダメ」という意見が出てくる(※写真はイメージです)

「お作法」が誕生してしまう

社員がチャットを使い始めたものの、いろいろな「お作法」が誕生してしまって、コミュニケーションが活性化しないなる悩みもよく聞きます。

例えば、複数名にメンションをつけてチャットを送るときに、職位順に名前を記載しなければいけない。

「部長」「課長」「係長」などの職位の記載もれもあってはいけない。

さらに文章の「てにをは」にも完璧が求められる。

緊急事態だからと考えてスピード優先で情報を共有したのに、「課長と書きなさい」「『を』が抜けている」と指摘が入る。

作法が違うと言われ、揚げ足をとられてしまうのです。