基礎疾患のデパートの私でも免疫力は高い

運動はやったほうがいいですが、ケガをしたり活性酸素でかえって老化が進んだりするリスクもあるので、無理をしないことです。無理やり毎日1万歩以上歩くようなことはやめたほうがいいでしょう。特に高齢者の場合はストレスを受けると、免疫機能が著しく下がります。そうするとがんや感染症にかかりやすくなるのです。何が体にいいとか悪いとかに神経質になるよりも、好きなものを食べて好きなことをしている人のほうが免疫力が高いので、結果的に長生きできます。

薬だってどこか痛いときはさっさとロキソニンやボルタレンを飲んで緩和すればいいのです。痛いのを我慢してストレスをため続けているよりずっと健康にいいといえます。同じように睡眠薬だって一時的に服用するなら何の問題もありません。薬の副作用を心配しなければならないのは、毎日血圧や血糖値を下げる薬を飲み続けている人のほうです。それに、血圧や血糖値を薬で下げたら、活力も減少します。そうすれば早く老けるし、認知症にもなりやすくなる。薬のおかげで心筋梗塞や脳卒中にはならないですむかもしれませんが、他の原因で早死にしたら目も当てられないじゃないですか。

私は高血圧で糖尿病おまけに心不全まであって、まさに基礎疾患のデパートですが、これまで3回コロナウイルスに感染したのに、一度も症状が出ませんでした。薬も飲まず、好き放題食べて飲んでなるべくストレスをためないようにしているので、免疫力が高いのです。健康診断の数値を見て薬を処方するのが日本の医療のスタイルですから、メンタルの影響を強調する私のようなタイプはあまりいないでしょう。彼らと私とどちらを信じるかは読者のみなさんが自分で決めてください。ただ、医者のいうとおりに生きる老後はかなりつまらないと思いますよ。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年5月31日号)の一部を再編集したものです。

(構成=山口雅之 写真=iStock 図版作成=大橋昭一(図版参考文献:柴田博『長寿の嘘』))
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