まずはミニサイズでお試し

道の駅に話を戻しましょう。店頭で試食できず、でも新しいものにチャレンジしたいときには、小さい瓶や小分けになっているものを買いましょう。それで食べてみて、もっとほしいと思ったら、たいていオンラインやアンテナショップで手に入りますから、そこで改めて買えばいいと思います。

また調味料以外の乾物も試食が大前提。さらに買うなら「いつ食べるだろう」「どんなときに食べるだろう」「どうやって食べるだろう」と、頭の中でシミュレーションしてほしいですね。日持ちがするものは、とりあえず買って放置しがち。魚介類なら、それをいつおかずとして出すのか、野菜や海藻なら、あえ物にするのか、汁物に入れるのか、「こうやって食べる」というのが明確になっていれば、「とりあえず買い」を防ぐことができるでしょう。

スーパーマーケットで試食の食品を取ろうとする女性
写真=iStock.com/Noel Hendrickson
※写真はイメージです

要冷蔵の魚の干物は、すぐに食べないなら、小分けにして冷凍しておくのがおすすめ。解凍してグリルで焼くときに、日本酒を振るとふっくらしておいしく焼けますよ。

でも、そんなことをしなくても、旅から帰ってきたら、積極的に食べるといいですね。「楽しかった」というテンションのまま、買ってきたものを食べると、思い出話にも花が咲きますし、ずっと楽しい思い出として記憶に残ります。また、みんなで行きたいねってなりますよね。

道の駅のマーケティングにハマっていないか!

道の駅で、使い切れないものをつい買ってしまうのは「気が大きくなっている」「二度と買えないかもしれないという焦燥感」「目新しく感じる」……といったことが原因。つまりマーケティングの渦に巻き込まれているのです。

でもそんな商品を家に持って帰っても、自分の生活にフィットしない。おしゃれなドレッシングを買っても、おしゃれな料理をつくる習慣がなければ、使うことはありません。帰宅して仕事が始まれば、一層そんな料理をしている場合ではなくなるはずです。今はGWを前に気分があがっているでしょうが、「今年のGWの私は違う!」などと、やりもしない自分に期待するのは、もうやめましょう。

だからこそ、旅に出る前のキッチンの片づけはマスト。「こういう食品を無駄にしてきたな」と自分を振り返る機会になるからです。

これは旅行前だけでなく、ふだんの買い物に行くときも同じです。事前に生きているものと死んでいるものを確認し、自分の失敗パターンに気づく。ダメな自分と向き合い、受け入れて、同じ失敗を二度としたくないと肝に銘じる。そうすれば、お金の回り方も変わってきます。お金が貯まる人は、これが自然とできている人、己をよく知っている人です。

ただ闇雲に節約するだけではなく、たとえば「うちの調味料は、これだけあれば十分」ということがわかったら、同じしょうゆでも、近所のスーパーの安売りのしょうゆではなく、ワンランク上のこだわりのしょうゆを選ぶなど、より有意義にお金を使えるようになります。片づければ、お金の回り方も変わるし、料理もおいしくなるのです。