「今後はシステムを導入しない」と表明

米Amazonが進めてきた「レジなしストア」が岐路に立たされている。

Amazonはアメリカとイギリスの一部地域で、生鮮食品などを扱う実店舗のスーパーマーケット「Amazonフレッシュ」とコンビニエンスストアの「Amazon Go」を展開。このうちフレッシュの一部店舗とGoの全店舗で、「レジなしストア」を売りにしていた。

アマゾンの実店舗「アマゾン・フレッシュ」
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レジなしストアは、同社独自開発の「ジャスト・ウォーク・アウト(立ち去るだけ)」システムを配備。好きな商品を手に取って店を立ち去るだけで、クレジットカードに後日請求される。レジはない。利用者は会計に並ぶ必要がなく、Amazonはレジ係の人件費をすべてカットできるという画期的な試みだった。

だが、Amazonは今年後半以降にオープンするAmazonフレッシュの店舗について、レジなしシステムを導入しない方針を表明した。フレッシュの既存店でも、改修のタイミングで撤去する方針だという。

米ブルームバーグは4月2日、「Amazon.com Inc.は、レジ不要の「ジャスト・ウォーク・アウト」を食料品店から撤去する」「野心的な技術からの後退となる」と報じている。

自動会計は名ばかりという報道も

Amazonは4月現在、アメリカでAmazonフレッシュ41店舗を展開しており、うち24店舗でジャスト・ウォーク・アウトを導入している。このほか、22店舗のAmazon Goはすべてが「レジなし」となっている。

なぜシステム撤去に踏み切ったのか。