お金つかいの達人になってストレスフリーな人生を送る

「5つの力」でお金をコントロール

「ムダ使いを減らして貯蓄する」だけじゃ足りない

お金持ちになりたいですか? と聞いたら「もちろん!」という声が聞こえそうです。でも、お金さえあれば幸せかといったら、そんなことはありません。FPとしてさまざまなかたの相談を受けていますが、資産家には資産家なりの、高所得者には高所得者なりの悩みがあります。

理想は、お金に翻弄されずに生きることだと思います。お金について悩まない、お金がストレスにならない、そんな生活を送るためには「力」が必要です。貯める、使う、稼ぐ、増やす、守る、この5つの力です。

おそらく日本人がお金について幼いころに教わったのは、「ムダ使いしちゃダメ(節約)」と「貯金しなさい(貯蓄)」です。つまり「使う力」と「貯める力」。確かにこの2つは重要です。特に若い世代には。自分の生活を見直してムダな出費を控えるのは基本中の基本ですし、収入の一部を貯蓄に回し何かのときに備えることは大前提です。

でも、それだけでは足りません。どんなに貯めようと思っても、稼ぐ力が弱ければ十分な額を貯蓄できないし、貯蓄だけではインフレなどに対応できず、将来的には損してしまうこともあります。お金に関するトラブルも頻発する世の中ですからお金の守り方を知る必要があります。

片づけと貯蓄、原則は同じ!

貯められない人の家はたいてい散らかっている

「節約しなくちゃ!」の前に部屋を片づけよう

以前、収納アドバイザーのかたに、「部屋が片づけられない人ほどお金が貯まらない。でも、部屋がきれいになるにつれ、お金が貯まるようになる」と聞きました。片づけとは、自分の持ち物を把握し(現状を知る)、不要なものを手放し(適正量を決める)、きちんと収納できる状態を維持・管理すること。新しいものを買ったら古いものを捨てるなど、モノの動きを把握する必要があります。

貯蓄も同じです。自分の収入と支出を把握し(現状を知る)、不要な出費を削りながら目的に応じた貯蓄をし(適正額を決める)、毎月きちんと貯蓄できるように家計を維持・管理しなくてはいけません。

実際、モノとお金はダイレクトに結びついています。部屋がモノであふれているのは、多くのものを買っているからでしょう。お金を使うことは楽しいし、「どうせ使うんだから」と買ってしまう気持ちもわかります。

でも、結局あまり使わなかったり、賞味期限が切れてしまったり、ムダな出費であることが少なくないのです。しかも整理整頓ができていないと必要なものがいつまでたっても見つからず、結局「めんどうはお金で解決する!」とばかりに新しいものを買ってしまいます。これもムダ使いです。

片づけをしていると、モノを通じて自分のお金の使い方が浮き彫りになるものです。その気づきこそ、習慣を見直すきっかけになるはずです。