変化に対する考え方の4パターンを把握しておく

変化の激しい時代、私たちは変わらざるを得ない状況に置かれることもしばしばです。しかし、「変化」に対する考え方は人によってさまざまで、変化を好む人とそうでない人がいます。

深谷百合子『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(かんき出版)
深谷百合子『賢い人のとにかく伝わる説明100式』(かんき出版)

変化に対する考え方には、「同一性重視型」「進展重視型」「相違重視型」「進展・相違重視型」の4つのパターンがあります。

「同一性重視型」が強い人は、変わらないことを好みます。物事の共通点に意識が向くのも、このパターンの特徴です。

「進展重視型」が強い人は、激しい変化は好みませんが、段階的でゆるやかな変化を好み、変化していくプロセスに意識が向きます。

「相違重視型」が強い人は、変化することを恐れず、物事の相違点に意識が向きます。

「進展・相違重視型」が強い人は、「進展重視型」と「相違重視型」の両方のパターンを持っています。

会社や取引先に対して、あなたが新しい取り組みを提案する場合で考えてみましょう。

新しい取り組みを受け入れてもらうということは、相手に「変化するための行動」を促すということです。この場合、変化を好まないパターンを持つ人は抵抗感を覚えるので、変わらない点を強調したうえで、段階的なプロセスを伝えましょう。

動いてくれない相手は何に抵抗を感じているのか

私は、工場の生産部門に省エネの提案をしたとき、最初はなかなか相手が動いてくれませんでした。生産部門は、問題なく生産できている現状を変えることに対して抵抗感を持っていたからです。つまり「同一性重視型」が強かったのです。そこで、「絶対に変えないことは何か」を説明したうえで、段階的に実施する手順を示すと、提案を受け入れてもらうことができました。

ビジネスの場面では、ときに大きな変革を伴うようなことが起きたりします。そのようなときも、「変化したあとの未来」だけを説明すると、不安に思う人がいます。「今までと共通している点や似ている点」を伝え、どのようなプロセスを経て変えていくのかを丁寧に説明することで、変化に対するストレスを軽減することができます。

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