両方のパターンに響く説明の仕方

ビジネスの場面においては、「主体・行動型」「反映・分析型」両方のパターンを備えている人が多いと言われています。ですから、両方のパターンに響く言葉を使って説明するのがいいですね。

例えば、店舗の売上アップのためにリピート客の増加策を実行しようとする場合は、「ポイントカードの導入やダイレクトメールの発送、キャンペーンの実施など、まずは何ができるか考え、データのあるものは分析をしよう。顧客リストの確認など、今すぐにできることは早速始めよう」というように、「考えるだけでなく、行動に移すための言葉」を使うことで、「やってみよう」という気持ちを相手に持ってもらうことができます。

「なぜジムに通うんですか?」この答えからわかる思考パターン

スポーツジムでトレーニングに励む人は多いですが、トレーニングを続ける理由は人それぞれですよね。例えば、「次のマラソン大会では、目標タイムである3時間を切りたいから」という人もいれば、「運動不足で病気にならないように」という人もいるでしょう。

「自分の願望や、欲しい状態を手に入れたい」というように、自分の目標に意識が向くパターンは「目的志向型」です。

一方、「病気にならないように」といった、「将来起こるかもしれない問題を回避すること」に意識が向くパターンは「問題回避型」です。

このように意識を向けている方向が違うので、心に響く言葉も違います。

「目的志向型」が強い人には、「○○できる」「○○が得られる」という言葉や、「それをすることで、どのような恩恵を受けられるのか」という話が響きます。

「問題回避型」が強い人には、「○○しなくて済む」「○○が解決する」という言葉や、「それをしないと、どんな問題が起きるのか」という話が響きます。

部下に見せるべきは「バラ色の未来」か「灰色の未来」か

例えば、あなたのチームが「納期がギリギリの仕事」を請け負ったとします。チームのメンバーにどのような言葉をかけたら、皆が「よし、頑張ろう!」と思うでしょうか。

「目的志向型」が強い人には、「何とか納期に間に合わせよう。そうしたら、お客様からの信頼を得られて、次の仕事も任せてもらえるかもしれない」と、「バラ色の未来」を見せてあげるといいですね。

一方、「問題回避型」が強い人には、「もし間に合わなかったら、お客様からの信頼を失ってしまうかもしれない」のように、「灰色の未来」を感じてもらうと、「やらなければ」という気持ちになるでしょう。

実際には、チームにはどちらのパターンの人もいると考えられます。ですから、次のように、どちらにも響くように伝えます。「もし間に合わなかったら、お客様からの信頼を失ってしまうかもしれない。そうならないよう、何とか納期に間に合わせて、次の仕事も任せてもらえるように頑張ろう」というように灰色の未来を示しつつ、バラ色の未来を見せて背中を押す伝え方がいいでしょう。