素直にお願いしていたのなら、まだよかった
このとき、GさんはFさんから話題を選ぶ権利を奪っており、どうしても嫌われてしまうのです。たとえばGさんが、合コンの前にFさんに「途中であの話をしてくれる? お願い!」と素直にお願いしていたのなら、まだよかったのです。これは人をコントロールしたのではないからです。もちろんお願いされたFさんにはGさんを「褒めるネタ」を話さないことを選ぶ権利もあります。
そして「話す」「話さない」のどちらを選んだとしてもGさんはFさんを怒ったり、無理に言わせたりすることはやめておいたほうがいいでしょう。このように、同じお願いをするにしても、相手の意思や行動を尊重せず、自己中心のマインドで強要すると嫌われることになります。
「自分が優位に立つため」のアドバイスをしている
【NG3】よかれと思ってアドバイスをする
アドバイスとは、助けを必要としている相手に助言を与えることですが、注意が必要です。
人は他人にアドバイスをするとき、いつの間にか「自分が優位に立つために」アドバイスをしていることがあるからです。
無闇にアドバイスをするのは、マウントを取ろうとしていると判断されたり聞き手がすでに知っていることであれば軽視されていると感じ、嫌われる原因になってしまいます。
あるとき、あなたは緊張感の高い仕事が続いたせいで疲れており、オフィスの休憩コーナーで一息入れていました。すると同僚の一人も休憩にやってきて、あなたの顔を見るなり「お疲れみたいね」と言います。
あなたは「そうなの、今週忙しくって――」と、この1週間、いかに張り詰めていたのかを話そうとしましたが、同僚が間を置かず話し続けます。「それ絶対亜鉛不足よ。だから亜鉛が含まれている◯◯や◯◯を食べるか、サプリの◯◯を飲むといいわよ。それから毎日の睡眠時間は最低でも◯時間は取らなきゃ駄目よ。ベッドに入る30分前くらいには温めのお風呂にゆったりと入ってね。それから――」
同僚は知っている限りの知識をすべて話そうとしているようです。あなたがなぜ疲れているのかには全く関心がありません。あなたはただ、どれだけ大変だったかを聞いてほしかっただけなのに。